の基本情報

猫の甲状腺機能亢進症

監修:あき(獣医師)公開 2026.06.18

動物病院で言われたら

中高齢の猫ちゃんで

  • よく食べているのに痩せてきた
  • 喉のあたりに小さなしこり(甲状腺の腫れ)がある

と言われた場合、甲状腺機能亢進症の可能性があります。

アイの、ひとこと

シニア期の猫ちゃんに多く見られる、喉にある甲状腺の働きが活発になりすぎる病気です。

どんな病気?

甲状腺は、喉のあたりにある小さな臓器で、体の働きを活発にするホルモンを出しています。甲状腺機能亢進症は、このホルモンが必要以上に多く分泌されてしまう病気です。常に体が「全速力で走っている」ような状態になるため、心臓や腎臓など全身の臓器に大きな負担がかかり続けます。

気づきのサイン(初期症状)

  • ごはんをよく食べるのに、少しずつ痩せてくる
  • 水をよく飲み、おしっこの量が増える
  • 夜鳴きが増えたり、落ち着きがなく活発になったりする
  • 吐く回数や下痢が増える
  • 毛づやが悪くなる、毛がパサパサになる

かかりやすい子・特徴

  • 中高齢の猫(特に10歳以上のシニア期から多く見られます)
  • 高齢の猫ちゃんで非常に多く見られる内分泌(ホルモン)の病気です

診断に必要な検査

血液検査(ホルモン測定)

血中の甲状腺ホルモン(T4など)の数値が基準を超えていないか調べます。

一般的な血液検査・尿検査

隠れている腎臓病や、肝臓の数値に異常がないかなど、全身の状態を確認します。

画像検査(エコーやレントゲン)

心臓に負担がかかって大きくなっていないか、他の臓器に影響が出ていないかを調べます。

触診

喉のあたりを触り、甲状腺が腫れていないかを確認します。

治療の柱

投薬治療(抗甲状腺薬)

甲状腺ホルモンが作られるのを抑えるお薬を飲み、数値を安定させます。

食事療法

ホルモンの材料となる「ヨウ素」を厳密に制限した、専用のごはんに切り替えます(他のおやつ等は食べられなくなります)。

外科手術

根本的な治療として、腫れている甲状腺を手術で摘出する選択肢もあります。

放射性ヨウ素治療

異常になった甲状腺だけを狙って治療し、根治を目指せる方法です(国内では実施できる施設が限られます)。

費用について

費用は、お薬を続ける期間や定期的な血液検査の頻度、外科手術を選択するかどうかで大きく変わります。長く付き合っていく病気だからこそ、まずは治療計画とあわせて費用の目安を相談すると安心です。ご家庭のペースも含めて、無理なく続けられる範囲を主治医と話し合いましょう。ペット保険に加入している場合は対象になることも多いため、あわせて確認してみてください。

これからの見通し

お薬や食事などでホルモンの数値をコントロールできれば、これまで通り穏やかな生活を送ることができます。ただし、治療によって数値が落ち着くことで、それまで隠れていた腎臓病が表面化することがあるため、定期的な検査で全身のバランスを見守っていくことが大切です。

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※ 本ページは病気の基本を知るための一般的な情報です。診断・治療方針は必ず獣医師にご相談ください。