の基本情報

猫の高血圧症

監修:あき(獣医師)

病院やおうちで気づいたら

中高齢の猫ちゃんで

  • 突然目が見えなくなった・ふらつく
  • 健診で『血圧が高い』と言われた

という場合、高血圧症の可能性があります。

アイの、ひとこと

高齢の猫ちゃんに多く、別の病気が原因で血圧が異常に上がり、目や脳などにダメージを与える病気です。

どんな病気?

血管の壁にかかる圧力(血圧)が、異常に高くなり続けてしまう状態です。猫ちゃんの場合、その多くは慢性腎臓病甲状腺機能亢進症といった別の病気が引き金になって起こります。初期は無症状ですが、放っておくと細い血管が密集している「目(失明)」や「脳(けいれん等)」、「腎臓」、「心臓」といった重要な臓器に深刻なダメージを与えるため、早めに血圧を下げるケアが必要になります。

気づきのサイン(初期症状)

  • 初期は目立った症状が出にくい(サイレントキラーと呼ばれ、無症状のまま進行します)
  • 突然、家具にぶつかるようになる、光を当てても黒目(瞳孔)が開きっぱなしになる(目が見えていないサインです)
  • 目の中に血がにじんでいる、目が白く濁って見える
  • ふらふらと歩く、ボーッとしている、突然けいれんを起こす(脳へのダメージのサインです)
  • (原因となる別の病気の症状として)水をよく飲む、おしっこの量が増える、よく鳴くなど

かかりやすい子・特徴

  • 中高齢の猫(特にシニア期から多く見られます)
  • 慢性腎臓病(CKD)や甲状腺機能亢進症の治療中、あるいはその疑いがある猫ちゃん
  • 目や脳の症状が突然出て、動物病院で検査をして初めて「高血圧」が隠れていたことに気づくケースも多くあります

診断に必要な検査

血圧測定

専用の小さな血圧計を手足やしっぽに巻き、興奮を落ち着かせながら血圧の数値を繰り返し測って確認します。

眼底検査

目に光を当てて目の奥(網膜)の血管を調べ、高血圧による出血や網膜剥離が起きていないかを確認します。

血液検査・尿検査

高血圧の引き金となっている慢性腎臓病や甲状腺機能亢進症など、別の病気が隠れていないかを詳しく調べます。

治療の柱

投薬治療(降圧薬)

血管を広げて血圧を下げるお薬(飲み薬)を使い、目や脳など重要な臓器へのこれ以上のダメージを防ぎます。

基礎疾患の治療

慢性腎臓病や甲状腺機能亢進症など、高血圧の原因となっている病気がある場合は、その治療を並行してしっかりと行います。

対症療法(目や脳のケア)

すでに網膜剥離による視力低下や脳の症状が出ている場合は、症状を和らげるお薬を使ったり、安全に暮らせるよう生活環境を整えたりします。

費用について

費用は、血圧を下げるお薬の量や、原因となっている別の病気(腎臓病など)の治療費、そして血圧が安定するまでの定期的な測定の頻度によって大きく変わります。長く付き合っていく病態だからこそ、まずは治療計画とあわせて費用の目安を相談すると安心です。ご家庭のペースも含め、無理なく続けられる通院の範囲を主治医と話し合いましょう。ペット保険に加入している場合は対象になることも多いため、あわせて確認してみてください。

これからの見通し

血圧を下げるお薬でうまく数値をコントロールできれば、臓器への負担を減らし、これまで通り穏やかな生活を長く保ちやすくなります。すでに視力が落ちてしまっている場合でも、環境を整えることで猫ちゃんは優れた聴覚や嗅覚で上手に適応できるため、獣医師と相談しながら無理のないケアを続けていくことが大切です。

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食欲・体重・血液値の変化を、1 日 1 件で記録できます。診察室モードで主治医にそのまま見せられます。

※ 本ページは病気の基本を知るための一般的な情報です。診断・治療方針は必ず獣医師にご相談ください。