の基本情報

犬の甲状腺機能低下症

監修:あき(獣医師)公開 2026.06.21

病院やおうちで気づいたら

中高齢のワンちゃんで

  • 最近太りやすく、元気がない
  • 健診で『甲状腺の数値が低い』と言われた

という場合、甲状腺機能低下症の可能性があります。

アイの、ひとこと

中高齢のワンちゃんに多い、体を元気にするホルモンが足りなくなってしまう病気です。

どんな病気?

喉のあたりにある「甲状腺」という臓器から、体の働きを活発にするホルモンが十分に分泌されなくなる病気です。ホルモンが足りなくなることで全身の代謝が落ち、元気がなくなったり太りやすくなったりと、ただの「老化」と間違えられやすい様々な症状がゆっくりと現れます。

気づきのサイン(初期症状)

  • 散歩に行きたがらない、寝ている時間が増える
  • ごはんの量は変わらないのに、太りやすくなる
  • 暖かい場所を好むようになる(寒がる)
  • 毛が薄くなる、毛が抜ける(特に左右対称に抜けたり、しっぽの毛がごっそり抜けたりする)
  • 顔つきがぼんやりして、悲しそうな表情に見える

かかりやすい子・特徴

  • 中高齢の犬(特に4〜10歳ごろのシニア期から多く見られます)
  • ゴールデン・レトリーバー、柴犬、ミニチュア・シュナウザーなどで多く見られる傾向があります
  • 初期症状が年齢による老化現象と似ているため、気づくのが遅れやすい傾向があります

診断に必要な検査

血液検査(ホルモン測定)

血中の甲状腺ホルモン(T4やTSHなど)が不足していないかを調べます。

一般的な血液検査

甲状腺の病気で上がりやすいコレステロールや中性脂肪の数値に異常がないかを確認します。

治療の柱

投薬治療(ホルモン補充)

不足している甲状腺ホルモンをお薬(飲み薬)で補い、全身の働きを正常に近づけます(生涯にわたる治療になります)。

体重管理とスキンケア

お薬で代謝が戻るまでの間、適正な体重の管理や、皮膚のトラブルに対するケアをあわせて行います。

費用について

1年間にかかる診療費の目安(犬・中央値・品種による幅)

約5.1万円〜8.2万円/年

出典:『アニコム家庭どうぶつ白書2025』より

この金額の見方
  • ・保険で戻ってくる分を差し引く前の、動物病院に支払う診療費そのものの金額です(ペット保険に入っている場合、実際の自己負担はこれより軽くなることがあります)。
  • ・アニコム損保に加入しているの診療費データ(通院・入院・手術を含む)の集計です。
  • ・中央値=ちょうど真ん中にあたる子の金額。高額な少数例に引っ張られにくい、実感に近い目安です。
  • 金額の幅は、人気6品種それぞれの中央値の最小〜最大です。品種や進行度で大きく変わります

この目安を左右するのは、ワンちゃんの体重に合わせたお薬の量と、ホルモンの数値を安定させるための血液検査の頻度です。長く付き合っていく病気だからこそ、無理なく続けられる通院の範囲を主治医と話し合いましょう。ペット保険に加入している場合は対象になることも多いため、あわせて確認してみてください。

これからの見通し

毎日の飲み薬で不足したホルモンを補うことができれば、これまで通り元気に、穏やかな生活を送ることができます。生涯のお薬が必要になりますが、定期的な検査でワンちゃんの体調に合わせた無理のないケアを続けることが大切です。

あとでマイページからいつでも見返せます

Tool

犬の甲状腺機能低下症のケアを akiaia で記録する

食欲・体重・血液値の変化を、1 日 1 件で記録できます。診察室モードで主治医にそのまま見せられます。

※ 本ページは病気の基本を知るための一般的な情報です。診断・治療方針は必ず獣医師にご相談ください。