おうちでこの症状を見たら
高齢の猫ちゃんで
- 「目的もなくウロウロ歩き回る」
- 「夜中に起きて大声で鳴き続ける」
という場合、認知症(認知機能不全症候群)の可能性があります。
アイの、ひとこと
アイの、ひとこと
高齢の猫ちゃんで多く見られる、脳の働きが落ちて夜鳴きや徘徊が増える病気です。
どんな病気?
年齢とともに脳の神経細胞がダメージを受け、学習能力や記憶力などの脳の働き(認知機能)が落ちてしまう病気です。単なる「老化」とは異なり、昼夜逆転による激しい夜鳴きやトイレの失敗などによって、猫ちゃん自身もご家族も生活に大きな支障をきたしてしまうため、適切な環境づくりやケアが必要になります。
気づきのサイン(初期症状)
- 夜中に突然起き出し、大きな声で鳴き続ける(夜鳴き)
- 部屋の中を目的もなくウロウロと歩き回る(徘徊)
- 覚えていたはずのトイレの場所を間違える、粗相をする
- 狭い隙間に入り込んで後ろに下がれなくなる
- 飼い主さんに異常に甘えたり、逆に攻撃的になったりする
かかりやすい子・特徴
- 高齢の猫(特に11〜15歳以上のシニア期から多く見られます)
- 視力や聴力の低下、関節炎の痛みなど、身体的な老化によるストレスと一緒に症状が出やすくなります
診断に必要な検査
問診・行動評価
これまでの生活と比べて「どんな行動の変化が起きているか」をご家族から詳しく聞き取ります。
血液検査・尿検査
異常な行動の原因が、甲状腺機能亢進症や慢性腎臓病など、似たような症状を引き起こす他の体の病気ではないかを除外します。
血圧測定・画像検査
脳へのダメージに繋がる高血圧が起きていないか、脳腫瘍など脳そのものの別の病気が隠れていないかを調べます。
治療の柱
生活環境の調整と刺激
トイレに行きやすくしたり、日中に適度な遊びを取り入れたりして、脳に良い刺激(エンリッチメント)を与えつつ安全な環境を整えます。
食事療法
脳の健康をサポートする成分(抗酸化物質やオメガ3脂肪酸など)を含んだ専用の食事に切り替え、認知機能の低下を穏やかにすることを目指します。サプリメントを追加する場合は、猫に中毒性のあるαリポ酸が入っていないか確認しましょう。
対症療法(睡眠薬など)
夜鳴きや昼夜逆転でご家族の負担が限界を超えないよう、必要に応じてお薬で睡眠のサイクルを整えます。
費用について
費用は、脳の健康をサポートする食事やサプリメント、睡眠を助けるお薬を取り入れるかどうかによって大きく変わります。長く付き合っていく病気で、ご家族の負担も大きくなりやすいため、まずは治療計画とあわせて費用の目安を相談し、ご家庭のペースも含めて無理なく続けられるケアの範囲を主治医と話し合いましょう。ペット保険に加入している場合は対象になることも多いため、あわせて確認してみてください。
これからの見通し
一度落ちた脳の機能を完全に元の状態に戻すことはできませんが、環境の工夫や食事などで進行のペースを穏やかにすることができます。猫ちゃんの安全を守りつつ、夜鳴きなどに対するご家族の心身の負担を減らすため、獣医師と相談しながら無理のないケアの形を見つけていくことが大切です。
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※ 本ページは病気の基本を知るための一般的な情報です。診断・治療方針は必ず獣医師にご相談ください。