猫のリンパ腫
監修:あき(獣医師)公開 2026.06.18
動物病院で言われたら
- 「お腹にしこりがある」
- 「腸が厚くなっている」
- 「胸水が溜まっている」
などと言われた場合、リンパ腫の可能性があります。
アイの、ひとこと
アイの、ひとこと
免疫を担う「リンパ球」ががん化し、胃腸や胸の中など全身のさまざまな場所で増殖する病気です。
どんな病気?
リンパ腫は、体を守る免疫の役割を持つ「リンパ球(白血球の一種)」ががん化してしまう病気です。猫の腫瘍のなかで非常に多く、胃腸や胸の中、鼻の奥など、発生する場所によって症状がまったく異なります。進行が早い傾向がありますが、抗がん剤などのお薬が効きやすいという特徴もあります。
気づきのサイン(初期症状)
- 食欲が落ち、少しずつ(または急激に)痩せてくる
- 慢性的な下痢が続く・吐く回数が増える(お腹にできた場合)
- 息が荒い、口を開けて呼吸をする(胸の中にできた場合)
- 鼻水や鼻血が続き、顔が腫れてくる(鼻にできた場合)
かかりやすい子・特徴
- 中高齢の猫に多く見られますが、若い猫で発症するタイプもあります
- 猫のがんの中で、非常に多く見られる病気の一つです
- 猫白血病ウイルス(FeLV)や猫エイズウイルス(FIV)の感染が関わっているケースもあります(特に若い猫など)
診断に必要な検査
画像検査
エコーやレントゲンで、お腹のしこりや腸の分厚さ、胸水の有無などを調べます。
細胞診(針生検)
腫れている部分に細い針を刺して細胞を採取し、がん細胞がないか調べます。
血液検査・ウイルス検査
全身の健康状態や、猫白血病ウイルス(FeLV)などの感染がないかを確認します。
遺伝子検査(クロナリティ検査など)
細胞診だけでは診断が難しい場合に、リンパ腫かどうかを詳しく判定します。
治療の柱
抗がん剤治療(化学療法)
複数のお薬を組み合わせたり飲み薬を使ったりして、がん細胞を抑え込みます。
緩和ケア
炎症を抑えるお薬(ステロイドなど)や痛み止めで、生活の質を維持し穏やかに過ごすためのサポートをします。
外科手術・放射線治療
鼻や腸の一部など、病気が特定の場所にとどまっている特殊なケースで行うことがあります。
費用について
費用は、選択する抗がん剤のコースや通院の頻度によって大きく変わります。まずは初診時に、治療計画とあわせて具体的な費用の目安を相談すると安心です。どこまで治療を行うかというご家庭の方針も含め、無理のない範囲を主治医と話し合いましょう。ペット保険に加入している場合は対象になることも多いため、確認してみてください。
これからの見通し
進行が早い病気ですが、抗がん剤治療によって一時的にがんの症状が消える「寛解(かんかい)」という状態を目指すことができます。病気のタイプによってお薬の効きやすさや見通しがまったく異なるため、まずは猫ちゃんの体力に合わせた無理のない計画を立てることが大切です。
タイプについて
猫のリンパ腫は、体のどこで発生したかによって主に「消化器型」「縦隔型(胸の中)」「多中心型」「鼻腔内型」などに分かれます。タイプによって進行のペースや治療法、これからの見通しがまったく異なるため、まずは「どのタイプか」をしっかり見極めることが治療の第一歩になります。なお、猫で最も多い消化器型は、進行のスピードによってさらに「低グレード」「高グレード」に分かれ、治療法も見通しも変わります。
タイプ別にもっと詳しく
猫のリンパ腫はタイプによって進行や見通しが変わります。気になるタイプを選ぶと、統計・予後データが見られます。
消化器型(低グレード)
公開中ゆっくり進行し、飲み薬で長期の付き合いを目指せるタイプ
統計・予後データを見る消化器型(高グレード)
公開中進行が早く、より積極的な治療を検討するタイプ
統計・予後データを見る縦隔型(胸の中)
準備中胸の中に発生し、呼吸が苦しくなりやすいタイプ
多中心型(全身のリンパ節)
準備中全身のリンパ節が腫れるタイプ(犬に比べると猫では少なめ)
鼻腔内型(鼻の奥)
準備中鼻の奥に発生し、鼻水や鼻血、くしゃみが続くタイプ
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※ 本ページは病気の基本を知るための一般的な情報です。診断・治療方針は必ず獣医師にご相談ください。