の基本情報

猫白血病ウイルス感染症(FeLV)

監修:あき(獣医師)公開 2026.07.02

病院やおうちで気づいたら

  • 風邪や口内炎が長引く
  • 検査で『白血病ウイルス陽性』と言われた

という場合、猫白血病ウイルス感染症(FeLV)の可能性があります。

アイの、ひとこと

猫同士の接触でうつるウイルスで、免疫力が落ちて様々な病気を引き起こしやすくなる病気です。

どんな病気?

猫白血病ウイルス(FeLV)が体内に感染し、免疫の働きに影響を及ぼすウイルス性の病気です。唾液などに多く含まれるため、猫同士の毛づくろいや食器の共有、ケンカなどを通じて感染します。感染したからといって、必ず発症するわけではありません。健康な子であれば自分の力でウイルスを排除できることもありますが、体に残ってしまうと(持続感染)、進行して重い貧血やリンパ腫(がん)などを引き起こすため、日々の体調管理が大切です。なお、人には感染しません(猫どうしの間だけで感染するウイルスです)。

気づきのサイン(初期症状)

  • 初期は無症状のまま過ごすことが多い(健診で偶然見つかることがあります)
  • 猫風邪や口内炎が長引き、なかなか治らない猫風邪
  • 食欲が落ちて、少しずつ痩せてくる
  • 歯茎や舌の色が白っぽくなる(貧血のサイン)
  • 進行すると、リンパ節が腫れる、ぐったりして熱が下がらないなどの症状が出てきます

かかりやすい子・特徴

  • 外に出る習慣がある猫ちゃん(野良猫とのケンカなどで感染リスクが高まります)
  • 多頭飼いや、保護されたばかりの猫ちゃん
  • 免疫力の弱い子猫(子猫のうちに感染すると、ウイルスが体から抜けずに「持続感染」になりやすい傾向があります)
  • ワクチンを打っていない猫ちゃん(外に出る子や多頭飼いの場合は、ワクチンでの予防が可能です)

予防法について

5種以上の混合ワクチンの定期接種で予防できます。感染している猫との接触(ケンカ・毛づくろい・食器の共有など)を避けることも大切です。

診断に必要な検査

ウイルス検査(血液検査)

血液の中にFeLVの抗原(ウイルスそのもの)がいるかどうかを、院内の簡易キットで調べます。

遺伝子検査(PCR検査)

簡易キットだけでは判定が難しい場合や、より詳しく感染の状況を知るために、外部の機関でウイルスの遺伝子を調べます。

一般的な血液検査

貧血が起きていないか、内臓の働きに異常がないかなど、全身の健康状態を確認します。

治療の柱

生活環境の徹底(室内飼育)

他の猫への感染を防ぎ、また自身の免疫低下による他の感染症(風邪など)をもらわないようにするため、完全室内飼育を徹底します。

対症療法とケア

口内炎や風邪などの症状が出た場合に、それらを和らげるお薬(抗生物質や痛み止めなど)を使って体力を支えます。

インターフェロン治療

ウイルスの増殖を抑えたり、免疫の働きを助けたりする目的で、お薬(インターフェロン)の注射や投与を行うことがあります。

費用について

費用は、無症状の間の定期的な健康チェックで済むか、症状が出てお薬や通院が必要になるかによって大きく変わります。長く付き合っていく病気であり、症状に合わせて必要な治療も変わっていくため、まずは治療計画とあわせて費用の目安を相談すると安心です。ご家庭のペースも含めて、無理なく続けられるケアの範囲を主治医と話し合いましょう。FeLVはワクチンで予防できる病気のため、保険会社によっては未接種での感染を補償の対象外としていることがあります。ペット保険に加入している場合は、事前に補償範囲を確認しておくと安心です。

これからの見通し

ウイルスを自分の力で排除できた場合は、その後は特別な心配なく過ごせることも多い病気です。一方で、ウイルスが体内に定着(持続感染)して発症した場合は厳しい見通しになることが多い病気ですが、ストレスのない生活環境と良質な栄養で免疫を保つことで、発症を遅らせながら、穏やかな日々をより長く過ごせるようになります。まずは状態を正確に把握し、無理のない健康管理と感染予防を続けていくことが大切です。

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Tool

猫白血病ウイルス感染症(FeLV)のケアを akiaia で記録する

食欲・体重・血液値の変化を、1 日 1 件で記録できます。診察室モードで主治医にそのまま見せられます。

※ 本ページは病気の基本を知るための一般的な情報です。診断・治療方針は必ず獣医師にご相談ください。