病院やおうちで気づいたら
- 「風邪や口内炎が長引く」
- 「検査で『猫エイズウイルス陽性』と言われた」
という場合、猫免疫不全ウイルス感染症(FIV)の可能性があります。
アイの、ひとこと
アイの、ひとこと
猫同士のケンカなどで感染し、長い時間をかけてゆっくりと免疫力が落ちていく病気です。
どんな病気?
猫免疫不全ウイルス(FIV)が体内に感染することで、体を守る免疫の働きが少しずつ弱くなっていく病気です。主に猫同士のケンカによる噛み傷などから感染します。俗に「猫エイズ」とも呼ばれますが、感染したからといって必ず猫エイズを発症するわけではなく、数年から十数年も無症状のまま天寿を全うする猫ちゃんも多くいます。発症を抑えるための、ストレスのない生活環境づくりがとても大切になる病気です。
気づきのサイン(初期症状)
- 初期や長期間(数年〜)は無症状のまま過ごすことが多い(健診で偶然見つかることがあります)
- 口臭がひどい、よだれが出る、ごはんを食べるのを痛がる(口内炎や歯肉炎)
- 猫風邪などの軽い病気が長引き、なかなか治らない猫風邪
- 食欲が落ちて、少しずつ痩せてくる
- 進行すると、慢性的な下痢や治りにくい皮膚炎などの症状が出てきます
かかりやすい子・特徴
- 外に出る習慣がある猫ちゃん(野良猫とのケンカで感染するリスクが最も高まります。現在、国内で使用できる予防ワクチンはないため、完全室内飼育が唯一の確実な予防策です)
- 保護されたばかりの猫ちゃんや、元野良猫のオス猫(ケンカの機会が多いため)
- 人や犬には感染しません。また、猫白血病ウイルス(FeLV)と異なり、食器の共有や毛づくろいなど日常的な接触だけではうつりにくいとされています猫白血病ウイルス(FeLV)
予防法について
完全室内飼育でケンカの機会を無くすことが、最も確実な予防法です(国内で使用できる予防ワクチンは現在ありません)。
診断に必要な検査
ウイルス検査(血液検査)
血液の中にFIVの抗体(ウイルスに対する体の反応)があるかどうかを、院内の簡易キットで調べます。
遺伝子検査(PCR検査)
簡易キットでの判定が難しい子猫(母猫からの移行抗体が残っている場合)などに、外部の機関でウイルスの遺伝子そのものを詳しく調べます。
一般的な血液検査
貧血が起きていないか、内臓の働きに異常がないかなど、現在の全身の健康状態を確認します。
治療の柱
生活環境の徹底(完全室内飼育)
他の猫への感染を防ぎ、また自身の免疫低下による他の病気(風邪など)をもらわないようにするため、完全室内飼育を徹底して穏やかに過ごさせます。
対症療法とケア
口内炎や風邪などの症状が出た場合に、それらを和らげるお薬(抗生物質や痛み止めなど)を使って生活の質を保ちます。
インターフェロン治療
免疫の働きを助けたり、口内炎などの症状を和らげたりする目的で、お薬(インターフェロン)の注射や投与を行うことがあります。
費用について
費用は、無症状の間の定期的な健康チェックで済むか、症状が出て口内炎などの対症療法が必要になるかによって大きく変わります。長く付き合っていく病気だからこそ、まずは治療計画とあわせて費用の目安を相談すると安心です。ご家庭のペースも含めて、無理なく続けられるケアの範囲を主治医と話し合いましょう。感染症は保険会社によって補償の対象外としていることがあります。ペット保険に加入している場合は、事前に補償範囲を確認しておくと安心です。
これからの見通し
FIVに感染しても、必ずしもすぐに重い症状が出るわけではなく、多くの猫ちゃんが長い年月を穏やかに過ごします。完全室内飼育でストレスのない生活と良質な栄養を与え、免疫を保つことで、穏やかな日々をより長く過ごせるようになります。すでに口内炎などの症状が出ている場合も、対症療法で症状を和らげながら、無理のない健康管理を続けていくことが大切です。
Tool
猫免疫不全ウイルス感染症(FIV)のケアを akiaia で記録する
食欲・体重・血液値の変化を、1 日 1 件で記録できます。診察室モードで主治医にそのまま見せられます。
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※ 本ページは病気の基本を知るための一般的な情報です。診断・治療方針は必ず獣医師にご相談ください。