犬のリンパ腫
監修:あき(獣医師)公開 2026.06.18
動物病院で言われたら
あごの下や膝の裏などで
- 「しこりがある」
- 「リンパ節が腫れている」
と言われた場合、リンパ腫の可能性があります。
アイの、ひとこと
アイの、ひとこと
免疫を担う「リンパ球」ががん化し、リンパ節をはじめ全身に広がっていく病気です。
どんな病気?
リンパ腫は、血液中の白血球の一種である「リンパ球」ががん化してしまう病気です。リンパ球は本来、体を守る免疫の役割を持っていますが、がん化すると異常に増殖し、全身のリンパ節や内臓などに広がっていきます。進行が早いことが多い一方で、犬のがんの中ではお薬(抗がん剤)がよく効きやすいという特徴もあります。
気づきのサイン(初期症状)
- あごの下、首、肩の前、膝の裏などに、ゴリッとしたしこり(腫れ)を触れる
- 元気がなくなり、散歩を嫌がる・すぐ疲れるようになる
- 食欲が落ち、少しずつ痩せてくる
- 水をたくさん飲み、おしっこの量が増えることがある
かかりやすい子・特徴
- 中高齢の犬(特に6〜9歳ごろのシニア期から増え始めます)
- 犬のがんの中で、非常に多く見られる病気の一つです
- ゴールデン・レトリーバーなどの一部の犬種で多く見られる傾向がありますが、どの犬種でも発症します
診断に必要な検査
細胞診(針生検)
腫れている部分に細い針を刺して細胞を採取し、がん細胞がないか調べます。
血液検査・尿検査
全身の健康状態や、他の臓器への影響がないかを確認します。
画像検査
エコーやレントゲンで、体の内部のリンパ節や、肝臓、脾臓などが腫れていないか調べます。
免疫染色・遺伝子検査
リンパ腫の詳しいタイプ(B細胞型やT細胞型など)を判定し、最適な治療法を探ります。
治療の柱
抗がん剤治療(化学療法)
複数のお薬を組み合わせて使い、全身に広がったがん細胞を抑え込みます。
緩和ケア
抗がん剤を使わない場合でも、炎症を抑えるお薬(ステロイドなど)で、生活の質を維持し穏やかに過ごすためのサポートをします。
外科手術・放射線治療
病気が体の一部だけにとどまっている特殊なケースなどにおいて、部分的な治療を行うことがあります。
費用について
費用は、選択する抗がん剤のコースやワンちゃんの体格、通院頻度によって大きく変わります。まずは初診時に、治療計画とあわせて具体的な費用の目安を相談すると安心です。どこまで治療を行うかというご家庭の方針も含め、無理のない範囲を主治医と話し合いましょう。ペット保険に加入している場合は対象になることも多いため、確認してみてください。
これからの見通し
進行が早い病気ですが、抗がん剤治療によって一時的にがんの症状が消える「寛解(かんかい)」という状態を目指すことができます。病気のタイプや治療の選択によってこれからの時間は大きく変わるため、ワンちゃんの体力やご家庭のペースに合わせた計画を立てることが大切です。
タイプについて
リンパ腫と一口に言っても、体のどこで発生したか(多中心型、消化器型など)や、細胞の種類(B細胞型、T細胞型)によって、数多くのタイプに分かれます。タイプによって進行のペースや薬の効きやすさ、これからの見通しが大きく異なるため、まずは「どのタイプか」をしっかり見極めることが、治療の第一歩になります。
タイプ別にもっと詳しく
犬のリンパ腫はタイプによって進行や見通しが変わります。気になるタイプを選ぶと、統計・予後データが見られます。
多中心型
公開中全身のリンパ節が腫れる、最も多く見られるタイプ
統計・予後データを見る消化器型
準備中胃や腸に発生し、下痢や嘔吐を引き起こすタイプ
縦隔型(胸腺型)
準備中胸の中に発生し、呼吸が苦しくなりやすいタイプ
皮膚型・その他
準備中皮膚に赤みやしこり、フケなどが現れるタイプ
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※ 本ページは病気の基本を知るための一般的な情報です。診断・治療方針は必ず獣医師にご相談ください。