の基本情報

犬の胆嚢粘液嚢腫胆泥症

監修:あき(獣医師)公開 2026.06.24

病院やおうちで気づいたら

中高齢のワンちゃんで

  • 吐く回数が増え、食欲が落ちる
  • 健診で『胆嚢に泥が溜まっている』と言われた

という場合、胆嚢粘液嚢腫(胆泥症)の可能性があります。

アイの、ひとこと

中高齢のワンちゃんに多い、胆嚢の中にゼリー状のドロドロとした胆汁が溜まってしまう病気です。

どんな病気?

肝臓で作られる「胆汁」という消化液を溜めておく「胆嚢(たんのう)」という臓器に、ドロドロとした泥のようなもの(胆泥)や、硬いゼリー状の粘液(胆嚢粘液嚢腫)が溜まってしまう病気です。初期は無症状ですが、進行して胆汁の通り道が詰まったり、胆嚢が破裂してお腹の中に漏れ出たりすると命に関わるため、定期的なチェックと慎重な対応が必要になります。

気づきのサイン(初期症状)

  • 初期は目立った症状が出にくい(健診の血液検査やエコーで偶然見つかることが多いです)
  • 吐く回数が増える、食欲が落ちる
  • お腹を痛がる、抱っこを嫌がる
  • 白目や皮膚、おしっこが黄色っぽくなる(黄疸のサイン)
  • (進行すると)ぐったりして動かなくなる

かかりやすい子・特徴

  • 中高齢の犬(特にシニア期から多く見られます)
  • ミニチュア・シュナウザー、シェットランド・シープドッグ、ポメラニアン、チワワなどで多く見られる傾向があります
  • 高脂血症(血液中の脂肪分が多い)の子
  • 甲状腺機能低下症やクッシング症候群など、他のホルモンの病気を持っている子甲状腺機能低下症クッシング症候群

診断に必要な検査

超音波(エコー)検査

胆嚢の中に泥やゼリー状のものが溜まっていないか(キウイフルーツのような断面が見えるのが特徴です)、胆管が詰まっていないかを立体的に調べます。

血液検査

肝臓や胆嚢のダメージを示す数値(ALPやGGTなど)が高くなっていないか、黄疸が出ていないかを確認します。

内分泌検査

胆嚢の病気の引き金となりやすい、甲状腺や副腎の病気が隠れていないかを調べます。

治療の柱

内科治療(投薬と食事)

症状がないか軽い場合は、胆汁の流れを良くするお薬や、低脂肪の食事で進行を抑えながら経過を見守ります。

外科手術(胆嚢摘出)

胆管が詰まりそうになっている場合や、すでに破裂して腹膜炎を起こしている場合は、緊急で胆嚢を取り除く手術が必要になります。

基礎疾患の治療

甲状腺機能低下症など、胆嚢の病気の原因となっている別のホルモンの病気がある場合は、その治療をあわせて行います。

費用について

費用は、お薬と食事療法で定期的にエコー検査を行うか、外科手術(胆嚢摘出)が必要になるかによって大きく変わります。また、手術の場合は術後の入院ケアにも費用がかかります。まずは治療計画とあわせて費用の目安を相談すると安心です。ご家庭のペースも含めて、無理なく続けられる通院の範囲を主治医と話し合いましょう。ペット保険に加入している場合は対象になることも多いため、あわせて確認してみてください。

これからの見通し

お薬や食事でうまく進行を抑えられれば、これまで通り穏やかな生活を長く保つことができます。手術が必要になった場合でも、破裂する前に無事に胆嚢を取り除くことができれば、元気に過ごせるようになります。まずはエコー検査で正確な状態を把握し、無理のないケアの計画を立てることが大切です。

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食欲・体重・血液値の変化を、1 日 1 件で記録できます。診察室モードで主治医にそのまま見せられます。

※ 本ページは病気の基本を知るための一般的な情報です。診断・治療方針は必ず獣医師にご相談ください。