の基本情報

犬のクッシング症候群副腎皮質機能亢進症

監修:あき(獣医師)公開 2026.06.20

動物病院で言われたら

中高齢のワンちゃんで

  • 水をよく飲む・お腹がふくらんできた
  • 健診で肝臓の数値(ALPなど)が高い

といったサインが重なるとき、クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)が隠れていることがあります。

アイの、ひとこと

中高齢のワンちゃんに多い、体を元気にするホルモンが出すぎてしまう病気です。

どんな病気?

副腎という小さな臓器から、「コルチゾール」というホルモンが必要以上に分泌され続ける病気です。コルチゾールは本来、ストレスから体を守る大切なホルモンですが、多すぎると全身の臓器や皮膚、免疫の働きに負担がかかり、様々な症状を引き起こします。ゆっくりと進行するため、ただの「老化」と間違えられやすい病気です。

気づきのサイン(初期症状)

  • 水をがぶがぶ飲み、おしっこの量が急激に増える
  • 異常にごはんを欲しがり、よく食べる
  • 手足は細くなるのに、お腹だけポッコリと膨らんでくる
  • 毛が薄くなる、毛が抜ける(特に左右対称に)、皮膚が黒ずんで薄くなる
  • 安静にしているのにハアハアと息苦しそうにする(パンティング)

かかりやすい子・特徴

  • 中高齢の犬(特に8歳以上のシニア期から多く見られます)
  • 小型犬(トイ・プードル、ミニチュア・ダックスフンド、ポメラニアンなど)
  • 初期症状が年齢による老化現象と似ているため、気づくのが遅れやすい傾向があります

診断に必要な検査

内分泌検査(ホルモン検査)

お薬を注射して血液を採り、コルチゾールが異常に作られていないかを調べます。

血液検査・尿検査

肝臓の数値の上昇や、おしっこの薄さ、併発しやすい糖尿病や尿路感染症などが隠れていないかを確認します。

画像検査(エコーやレントゲン)

副腎が大きくなっていないか、腫瘍がないかを調べます。

治療の柱

投薬治療

コルチゾールが作られるのを抑えるお薬を飲み、ホルモンの量を正常に近づけます。

外科手術

原因となっている副腎の腫瘍を手術で取り除く選択肢もあります。

放射線治療

脳の付け根(下垂体)に原因がある場合、専門施設で放射線をあてる治療が行われることもあります。

費用について

費用は、お薬の量や種類、ホルモンの数値を安定させるための定期的な血液検査の頻度によって大きく変わります。長く付き合っていく病気だからこそ、まずは治療計画とあわせて費用の目安を相談すると安心です。ご家庭のペースも含めて、無理なく続けられる範囲を主治医と話し合いましょう。ペット保険に加入している場合は対象になることも多いため、あわせて確認してみてください。

これからの見通し

ホルモンの異常な分泌はお薬で抑えることができ、数値をうまくコントロールできれば、これまで通り穏やかな生活を送ることができます。ただし、定期的な検査でお薬の量を細かく調整していく必要があるため、ワンちゃんの体調に合わせた無理のない通院計画を立てることが大切です。

タイプについて

犬のクッシング症候群には、原因となる場所によって主に2つのタイプがあります。脳の付け根にある小さな臓器から指令が出すぎる「下垂体依存性(全体の多くを占めます)」と、副腎そのものに腫瘍ができる「副腎腫瘍」です。どちらのタイプかによって治療の選択肢や見通しが異なるため、まずは原因を見極めることが治療の第一歩になります。

あとでマイページからいつでも見返せます

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食欲・体重・血液値の変化を、1 日 1 件で記録できます。診察室モードで主治医にそのまま見せられます。

※ 本ページは病気の基本を知るための一般的な情報です。診断・治療方針は必ず獣医師にご相談ください。