おうちでこの症状を見たら
中高齢のワンちゃんで
- 「目が白く濁ってきた」
- 「家具や段差にぶつかる」
という場合、白内障の可能性があります。
アイの、ひとこと
アイの、ひとこと
目の中のレンズが白く濁り、少しずつ視力が落ちていく病気です。
どんな病気?
目の中にある「水晶体」というカメラのレンズの役割をする部分が、白く濁ってしまう病気です。濁りが強くなると光が通りにくくなり、視力が少しずつ落ちていきます。一度白く濁った部分は、お薬で元の透明な状態に戻すことはできません。なお、シニア期に目が薄く青白く見えるのは、加齢による「核硬化症(かくこうかしょう)」という別の変化であることも多く、こちらは視力にほとんど影響しません。本当の白内障かどうかは、動物病院の検査で見分けられます。
気づきのサイン(初期症状)
- 目の黒目の部分が奥の方から白く濁って見える
- 暗い場所や夜の散歩を嫌がる・怖がるようになる
- ちょっとした段差につまずいたり、家具にぶつかったりする
- 音のする方向を過剰に気にするようになる
かかりやすい子・特徴
- 中高齢の犬(加齢によって少しずつ進行することが多いです)
- 遺伝的な要因を持つ犬種(トイ・プードル、柴犬、アメリカン・コッカー・スパニエルなど)
- 糖尿病など、別の病気が原因で併発している子
診断に必要な検査
スリットランプ検査(細隙灯顕微鏡検査)
特殊な光を当てて、レンズの濁り具合や進行度を詳しく調べます。
眼圧検査
緑内障などの他の目の病気を併発していないかを確認します。
超音波(エコー)検査・網膜電位図(ERG)
手術を行う場合などに、目の奥の神経(網膜)が正常に働いているかを調べます。
治療の柱
外科手術
眼科の専門施設で濁ったレンズを取り除き、人工のレンズを入れることで視力の回復を目指します。
点眼治療(目薬)
濁りを透明に戻すことはできませんが、進行を遅らせたり、目の中の炎症を抑えたりするために使います。
生活環境の調整
家具の配置を変えない、危険な場所にクッションを置くなど、見えにくさを補う工夫をして生活を支えます。
費用について
1年間にかかる診療費の目安(犬・中央値・品種による幅)
約1.6万円〜3.8万円/年
出典:『アニコム家庭どうぶつ白書2025』より
この金額の見方
- ・保険で戻ってくる分を差し引く前の、動物病院に支払う診療費そのものの金額です(ペット保険に入っている場合、実際の自己負担はこれより軽くなることがあります)。
- ・アニコム損保に加入している犬の診療費データ(通院・入院・手術を含む)の集計です。
- ・中央値=ちょうど真ん中にあたる子の金額。高額な少数例に引っ張られにくい、実感に近い目安です。
- ・金額の幅は、人気9品種それぞれの中央値の最小〜最大です。品種や進行度で大きく変わります。
この目安は点眼薬による内科治療が中心の金額で、眼科専門医による外科手術を選択する場合は大きく上回ります。ワンちゃんの負担やご家庭の方針も含め、無理のない範囲を主治医と話し合いましょう。ペット保険に加入している場合は対象になることも多いため、確認してみてください。
これからの見通し
一度進んだ濁りはお薬では戻りませんが、ワンちゃんは嗅覚や聴覚が優れているため、環境を整えれば目が見えにくくても穏やかに生活できます。手術で視力を回復する選択肢も含め、愛犬とご家庭のペースに合った無理のないケアを見つけていくことが大切です。
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※ 本ページは病気の基本を知るための一般的な情報です。診断・治療方針は必ず獣医師にご相談ください。