の基本情報

猫の肥満細胞腫

監修:あき(獣医師)公開 2026.08.17

病院やおうちで気づいたら

  • 皮膚に赤くてこりこりしたしこりがある
  • エコー検査で『脾臓や腸が腫れている』と言われた

という場合、肥満細胞腫の可能性があります。

アイの、ひとこと

皮膚や内臓(脾臓・腸など)に発生する、アレルギー反応などに関わる「肥満細胞」が腫瘍化した病気です。

どんな病気?

体を守る免疫細胞の一つである「肥満細胞」が異常に増殖して腫瘍になる病気です。猫ちゃんの場合、大きく分けて「皮膚」にできるタイプと、や腸などの「内臓」にできるタイプの2つがあります。おとなしい経過をとるものから進行の早いものまで幅があり、その性格は発生した場所やタイプで大きく変わります。どこにできたかを確かめたうえで、治療方針を立てることが大切です。

気づきのサイン(初期症状)

  • 皮膚に毛の抜けた赤いしこりや、こりこりしたふくらみがある(皮膚型)
  • しこりを気にして舐めたり掻いたりする(皮膚型)
  • ごはんに関係なく嘔吐を繰り返す(内臓型)
  • 食欲が落ちて、体重が減ってくる(内臓型)
  • 元気がなく、じっとうずくまるようになる(内臓型)

かかりやすい子・特徴

  • シャム系の猫ちゃんで比較的多く見られます
  • 中高齢の猫ちゃんで発症しやすい傾向があります

診断に必要な検査

細胞診(針生検)

しこりや腫れている臓器に細い針を刺して細胞を採り、顕微鏡で肥満細胞腫かどうかを調べます。見た目や触り心地だけではのしこりと区別できないため、この検査が出発点になります。

超音波(エコー)・X線(レントゲン)検査

お腹の中の臓器(脾臓や腸など)の腫れや、など別の場所にしていないかを画像で確認します。

血液検査

内臓の働きや貧血の有無など、全身の状態を把握します。

治療の柱

外科治療(手術)

皮膚のしこりや、腫瘍ができている脾臓や腸の一部を直接切り取ります。

内科治療(抗がん剤・分子標的薬)

手術で取り切れない場合や転移がある場合に、腫瘍の進行を抑えるお薬を使います。

対症療法

腫瘍から出る物質が引き起こす嘔吐やアレルギーのような症状を、胃薬やなどで和らげます。

費用について

費用は、皮膚のしこりを切除するだけか、内臓の手術や長期的なお薬の治療が必要になるかによって大きく変わります。治療計画とあわせて事前にお見積もりを確認し、猫ちゃんの負担やご家庭のペースも含め、無理なく続けられる治療の範囲を主治医と話し合いましょう。加入しているペット保険があれば対象になる場合も多いため、あわせて確認してみてください。

これからの見通し

皮膚にできたものは、手術でしっかり取り切ることができれば完治が見込めるケースが多く、その後は元気に生活できます。内臓型のうち脾臓にできたものは、脾臓を摘出する手術のあとも長く元気に過ごせる子が少なくありません。いちばん注意が必要なのは腸にできたタイプで、進行が早いことが多いため、見つかった段階で主治医としっかり治療方針を立てることが大切です。

あとでマイページからいつでも見返せます

Tool

猫の肥満細胞腫のケアを akiaia で記録する

食欲・体重・血液値の変化を、1 日 1 件で記録できます。診察室モードで主治医にそのまま見せられます。

※ 本ページは病気の基本を知るための一般的な情報です。診断・治療方針は必ず獣医師にご相談ください。