おうちでこの症状を見たら
- 「以前注射をした場所に、硬いしこりがある」
- 「首の後ろや足に、1円玉より大きいふくらみがある」
という場合、注射部位肉腫の可能性があります。
アイの、ひとこと
アイの、ひとこと
ワクチンなどの注射を打った場所にできる、周囲に根を張るように広がる悪性度の高い腫瘍(がん)です。
どんな病気?
ワクチンや長期間持続するお薬などの注射が刺激となり、打った場所に発生するの腫瘍(肉腫)です。注射のあとに小さなしこりができること自体はよくあり、その多くは自然に消えていきますが、この腫瘍は消えずに、皮膚の下で周囲の組織に深く根を張るように広がっていくのが特徴です。進行が早いため、見つけたらすぐに対処する必要があります。
気づきのサイン(初期症状)
- 初期は痛がったり気にしたりすることは少ない
- 過去に注射を打った場所に硬いしこりがある
- 注射から3ヶ月たっても、しこりが消えずに残っている
- 注射から1ヶ月たっても、しこりが大きくなり続けている
- しこりの大きさが2cm(1円玉くらい)を超えている
かかりやすい子・特徴
- 過去にワクチンや長期間持続するお薬などの注射を受けたことがある
- 年齢や品種に関係なく、どの猫ちゃんでも発生する可能性があります
予防法について
完全室内飼いにするなど生活環境を整えたうえで、本当に必要なワクチンを主治医と相談して選ぶことが予防につながります。また、万が一発生した際に手術で完全に切り取れるよう、足の先やしっぽなど「根元から切除できる場所」への接種を推奨する考え方が海外のガイドラインで広まってきています(日本ではまだ一般的ではないため、気になる場合は主治医に相談してみてください)。注射のあと3ヶ月ほどは、打った場所をときどき触ってチェックしてあげてください。
診断に必要な検査
細胞診(針生検)
しこりに細い針を刺して細胞を採り、膿の塊(膿瘍)など別のものとの見分けをします。ただしこの腫瘍は炎症の細胞が混ざりやすく、だけでは確定できないことがあります。
病理組織検査(生検)
しこりの一部を小さく切り取って顕微鏡で調べ、注射部位肉腫かどうかの診断を確定します。
CT検査・MRI検査
しこりが皮膚の奥深く、どこまで根を張っているか(広がり)を正確に把握し、手術の計画を立てます。
X線(レントゲン)検査
肺など、他の臓器へしていないかを確認します。
治療の柱
外科治療(手術)
再発を防ぐため、しこりの見た目よりもはるかに広い範囲を深く切り取ります。足にできた場合は、命を守るために断脚(足の切断)を選ぶこともあります。
放射線治療
手術の前にしこりを小さくしたり、手術後に取り切れなかった目に見えない細胞を叩いたりする目的で行います。
内科治療(抗がん剤)
腫瘍の進行を抑えたり、転移を遅らせたりする目的でお薬を使います。
費用について
費用は、広範囲の手術や断脚が必要になるか、CT検査や放射線治療などの高度な医療を組み合わせるかによって大きく変わります。猫ちゃんの負担やご家庭のペースも含め、無理なく続けられる治療の範囲を主治医と話し合いましょう。加入しているペット保険があれば対象になる場合も多いため、あわせて確認してみてください。
これからの見通し
非常に再発しやすく周囲に広がる力が強いため、最初の手術でどれだけ広く確実に取り切れるかが、その後の生活を大きく左右します。早期に発見し、適切な治療を行うことで再発を防ぎ、これまで通り元気に過ごせる可能性を高めることができます。
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※ 本ページは病気の基本を知るための一般的な情報です。診断・治療方針は必ず獣医師にご相談ください。