の基本情報

猫のヘモプラズマ症猫伝染性貧血

監修:あき(獣医師)公開 2026.07.03

病院やおうちで気づいたら

外に出る習慣がある猫ちゃんで

  • ぐったりして、歯茎や舌が白い
  • 診察で『貧血を起こしている』と言われた

という場合、ヘモプラズマ症(猫伝染性貧血)の可能性があります。

アイの、ひとこと

ノミやマダニなどを通じて血液中に細菌が感染し、赤血球が壊されて重い貧血を起こす病気です。

どんな病気?

「猫ヘモプラズマ」という非常に小さな細菌が、赤血球の表面に寄生して赤血球を壊してしまう病気です。主にノミやマダニの吸血や、感染した猫とのケンカ(噛み傷)によってうつります。健康であれば無症状のこともありますが、免疫力が落ちたときや猫白血病ウイルス(FeLV)などに同時に感染していると、急激に重い貧血を引き起こすことがあります。なお、人への感染リスクは低く、健康な方であればほとんど心配はいりませんが、免疫力が著しく低下している方には、ごくまれに感染した可能性を示す報告があります。

気づきのサイン(初期症状)

  • ぐったりして動かない、ずっと寝ている
  • ごはんを食べなくなる
  • 歯茎や舌、鼻の頭などが白っぽくなる(貧血のサインです)
  • 呼吸が荒い、少し動いただけで息切れする
  • 進行すると、白目や皮膚が黄色っぽくなる(黄疸のサインです)

かかりやすい子・特徴

  • 外に出る習慣がある猫ちゃん(ノミ・マダニやケンカのリスクが高いため)
  • 猫白血病ウイルス(FeLV)や猫エイズウイルス(FIV)に感染している子(免疫力が落ちて重症化しやすくなります)猫白血病ウイルス(FeLV)猫エイズウイルス(FIV)
  • ケンカをする機会の多い未去勢のオス猫

予防法について

完全室内飼育を徹底して感染猫との接触を避け、定期的なノミ・マダニの予防薬を使うことで、感染のリスクを大きく減らすことができます。

診断に必要な検査

血液検査

貧血の重さや、赤血球がどれくらい壊されているかなど、全身の状態を調べます。

血液塗抹(とまつ)検査

血液を顕微鏡で直接見て、赤血球の表面に細菌(ヘモプラズマ)がくっついていないかを確認します。

PCR検査(遺伝子検査)

顕微鏡で見つけにくい場合に、血液中の細菌の遺伝子を外部の機関で詳しく調べ、正確に診断します。

治療の柱

投薬治療(抗生物質)

原因となっているヘモプラズマを退治するため、効果のある抗生物質を数週間にわたって飲みます。

投薬治療(ステロイドなど)

自身の免疫が過剰に赤血球を壊すのを食い止めるため、免疫を抑えるお薬を一緒に使うことがあります。

輸液・輸血療法

貧血が重度で命に危険がある場合は、点滴で状態を支えたり、他の猫ちゃんから血液をもらう輸血を行ったりします。

費用について

費用は、抗生物質などの飲み薬による通院で済むか、重度の貧血で入院や輸血が必要になるかによって大きく変わります。まずは治療計画とあわせて具体的な費用の目安を相談し、ご家庭のペースも含めて無理なく続けられる範囲を主治医と話し合いましょう。ペット保険に加入している場合は対象になることも多いため、あわせて確認してみてください。

これからの見通し

お薬がしっかり効いて貧血が改善すれば、再び元気な状態を取り戻すことができます。ただし、体の中に細菌が残ってしまうこともあり(キャリア)、まれに再発することもあるため、室内飼育でストレスの少ない生活を送り、穏やかな日々を過ごせるようケアを続けることが大切です。

あとでマイページからいつでも見返せます

Tool

猫のヘモプラズマ症のケアを akiaia で記録する

食欲・体重・血液値の変化を、1 日 1 件で記録できます。診察室モードで主治医にそのまま見せられます。

※ 本ページは病気の基本を知るための一般的な情報です。診断・治療方針は必ず獣医師にご相談ください。