おうちでこの症状を見たら
中高齢のワンちゃんで
- 「部屋の隅で動けなくなる」
- 「夜中に起きて鳴き続ける」
という場合、認知症(認知機能不全)の可能性があります。
アイの、ひとこと
アイの、ひとこと
高齢のワンちゃんで多く見られる、脳の働きが落ちて今までの行動ができなくなる病気です。
どんな病気?
年齢とともに脳の神経細胞がダメージを受け、学習能力や記憶力などの脳の働き(認知機能)が落ちてしまう病気です。単なる「老化」とは異なり、昼夜逆転や徘徊(ウロウロと歩き回る)などの行動の変化によって、ワンちゃん自身もご家族も生活に大きな支障をきたしてしまうため、適切なケアが必要になります。
気づきのサイン(初期症状)
- 名前を呼んでも反応しない、ボーッとしている時間が増える
- 部屋の隅や狭い隙間に入り込み、後ろに下がれなくなる
- 夜中に起き出して歩き回り、単調な声で鳴き続ける
- 覚えていたはずのトイレを失敗するようになる
- 飼い主さんに甘えなくなる、あるいは異常に離れなくなる
かかりやすい子・特徴
- 高齢の犬(特に13歳以上のシニア期から急増します)
- 柴犬などの日本犬や、そのミックス犬に多く見られる傾向があります
- 身体的な老化(目が見えにくい、耳が遠いなど)と一緒に症状が出やすくなります
診断に必要な検査
問診・行動評価
これまでの生活と比べて「どんな行動の変化が起きているか」をご家族から詳しく聞き取ります。
血液検査・尿検査
異常な行動の原因が、他の体の病気(肝臓や腎臓の病気など)ではないかを確認します。
画像検査(エコーやレントゲン)
痛みを伴う病気(関節炎など)が隠れていないかを調べます。
神経学的検査(必要に応じて)
脳腫瘍など、脳そのものの別の病気ではないかを確認します。
治療の柱
生活環境の調整と刺激
危険な場所に入れないよう安全を確保しつつ、日中に日光を浴びたり適度な遊びを取り入れたりして、脳に良い刺激(エンリッチメント)を与えます。
食事療法
脳の健康をサポートする成分(抗酸化物質やDHA/EPAなど)を含んだ専用のごはんに切り替え、認知機能の低下を穏やかにすることを目指します。
対症療法(睡眠薬・サプリメントなど)
夜鳴きや昼夜逆転でご家族の負担が限界を超えないよう、必要に応じて睡眠導入薬で休息を助けたり、補助的にサプリメントを取り入れたりします。
費用について
費用は、毎日の専用のごはん(療法食)や、睡眠を助けるお薬・サプリメントを取り入れるかどうかによって大きく変わります。長く付き合っていく病気であり、ご家族の負担も大きくなりやすいため、まずは治療計画とあわせて費用の目安を相談すると安心です。ご家庭のペースも含めて、無理なく続けられるケアの範囲を主治医と話し合いましょう。
これからの見通し
一度落ちた脳の機能を元の状態に戻すことはできませんが、環境の工夫や食事などで進行を穏やかにすることができます。ワンちゃんの安全を守りつつ、夜鳴きなどに対するご家族の心身の負担を減らすため、獣医師と相談しながら無理のないケアの形を見つけていくことが大切です。
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※ 本ページは病気の基本を知るための一般的な情報です。診断・治療方針は必ず獣医師にご相談ください。