の基本情報

犬のケンネルコフ犬伝染性気管気管支炎

監修:あき(獣医師)公開 2026.06.24

おうちでこの症状を見たら

  • カハッという乾いた咳が続く
  • ドッグランの後に咳が出始めた

という場合、ケンネルコフ(犬伝染性気管気管支炎)の可能性があります。

アイの、ひとこと

犬がたくさん集まる場所でうつりやすい、ウイルスや細菌が原因の呼吸器の病気(ワンちゃんの風邪)です。

どんな病気?

犬の「風邪」にあたる病気で、ウイルスや細菌に感染することで気管や気管支に炎症が起こります。ペットホテルやドッグランなど、多くの犬が集まる場所で感染しやすいのが特徴です。健康な大人の犬であれば軽い症状で自然に良くなることもありますが、免疫力の弱い子犬やシニア犬では肺炎を起こして重症化することがあるため、注意が必要です。なお、人への感染リスクは低く、健康な方であればほとんど心配はいりませんが、免疫力が低下している方には、原因菌の一つ(ボルデテラ)がごくまれにうつることがあると報告されています。

気づきのサイン(初期症状)

  • 短く乾いた激しい咳をする(カハッ、ケーンというような音)
  • 興奮したときや、首輪が気管を圧迫したときに咳が出やすい
  • 激しい咳のあとに、白い泡のようなものを吐き出すことがある
  • くしゃみや鼻水が出る
  • (進行すると)熱が出たり、元気がなくなってごはんを食べなくなったりする

かかりやすい子・特徴

  • 免疫力の弱い子犬やシニア犬
  • 混合ワクチンを打っていないワンちゃん
  • ペットホテル、ドッグラン、トリミングサロンなど、他の犬と接触する機会があった子
  • お迎えしたばかりなど、環境の変化によるストレスで免疫が落ちている子

予防法について

混合ワクチンの接種で予防できます。ペットホテルやドッグランなど他の犬と接触する機会がある場合は、事前に済ませておくと安心です。

診断に必要な検査

身体検査・問診

咳の様子や、最近他の犬と接触したかなどを確認し、気管を軽く圧迫して咳が出るか(気管誘発テスト)を調べます。

血液検査・レントゲン検査

症状が重い場合や長引く場合に、肺炎を起こしていないか、心臓病など別の咳の原因が隠れていないかを確認します。

PCR検査

原因となっているウイルスや細菌の種類を特定するために、目やにや鼻水、喉の粘膜を綿棒で採って詳しく調べることがあります。

治療の柱

投薬治療(飲み薬)

細菌の感染を抑える抗生物質や、激しい咳を鎮めるお薬、気管支を広げるお薬などを使い、症状を和らげます。

ネブライザー治療

霧状のお薬を吸入させて、気管や気管支の炎症を直接和らげます。

生活環境の調整

首輪をハーネスに変えて気管への刺激を減らし、部屋を適度に保温・保湿して安静に過ごさせます(他の犬にうつさないよう接触も避けます)。

費用について

1年間にかかる診療費の目安(犬・中央値・品種による幅)

約8,000円〜1.2万円/年

出典:『アニコム家庭どうぶつ白書2025』より

この金額の見方
  • ・保険で戻ってくる分を差し引く前の、動物病院に支払う診療費そのものの金額です(ペット保険に入っている場合、実際の自己負担はこれより軽くなることがあります)。
  • ・アニコム損保に加入しているの診療費データ(通院・入院・手術を含む)の集計です。
  • ・中央値=ちょうど真ん中にあたる子の金額。高額な少数例に引っ張られにくい、実感に近い目安です。
  • 金額の幅は、人気4品種それぞれの中央値の最小〜最大です。品種や進行度で大きく変わります

この目安はお薬と通院で数週間のうちに良くなった子が中心の金額で、肺炎などを併発して入院や点滴が必要になると大きく上回ります。長引くときは、治療計画とあわせて費用の見通しを主治医に相談しましょう。ケンネルコフはワクチンで予防できる病気のため、保険会社によっては未接種での感染を補償の対象外としていることがあります。ペット保険に加入している場合は、事前に補償範囲を確認しておくと安心です。

これからの見通し

多くの場合、お薬や環境の調整で咳を和らげながら安静にしていれば、1〜2週間ほどで元気な状態に戻ります。ただし、子犬やシニア犬では肺炎に進行して厳しい見通しになることもあるため、咳が長引いたりぐったりしている場合は、早めに受診して治療計画を立てることが大切です。

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犬のケンネルコフのケアを akiaia で記録する

食欲・体重・血液値の変化を、1 日 1 件で記録できます。診察室モードで主治医にそのまま見せられます。

※ 本ページは病気の基本を知るための一般的な情報です。診断・治療方針は必ず獣医師にご相談ください。