の基本情報

犬の股関節形成不全

監修:あき(獣医師)公開 2026.07.10

おうちでこの症状を見たら

大型犬などのワンちゃんで

  • お尻を振って歩く(モンローウォーク)
  • 両後ろ足を一緒に動かして走る(ウサギ跳び)

という場合、股関節形成不全の可能性があります。

アイの、ひとこと

大型犬に多く見られる、成長期に股関節がうまく発達せず、関節に緩みや痛みが出る病気です。

どんな病気?

骨盤と後ろ足をつなぐ「股関節」が生まれつきうまく形作られず、関節に緩みが生じてしまう病気です。遺伝的な要因が大きいですが、成長期の肥満や過度な運動なども発症に関わります。関節がグラグラと不安定な状態が続くことで、骨同士がこすれ合って炎症が起き、将来的に変形性関節症を進行させて強い痛みを引き起こします。

気づきのサイン(初期症状)

  • お尻を左右に振って歩く(モンローウォークと呼ばれる歩き方)
  • 走るときに、両方の後ろ足を揃えてウサギ跳びのように走る
  • おすわりの姿勢から立ち上がるのに時間がかかる
  • 段差の上り下りやソファへのジャンプをためらう
  • 散歩に行きたがらない、途中で座り込む

かかりやすい子・特徴

  • ゴールデン・レトリーバー、ラブラドール・レトリーバー、バーニーズ・マウンテン・ドッグなどの大型犬・超大型犬
  • 生後数ヶ月〜1歳未満の成長期に歩き方の異常で気づくケースと、中高齢になって関節炎が進行してから痛みに気づくケースがあります
  • コーギーやフレンチ・ブルドッグなどの中型犬・小型犬で見られることもあります

予防法について

遺伝的な要因が大きいため完全に防ぐことは難しいですが、成長期に急激に太らせないこと(適切な体重管理)や、滑る床をマットなどで改善することで、関節への負担を減らし、重症化のリスクを減らすことにつながります。

診断に必要な検査

触診・歩行検査

歩き方の特徴を確認し、獣医師が関節を直接動かして緩みがないか、痛がるポイントがないかを調べます。

レントゲン検査

骨盤のくぼみと足の骨がしっかりはまっているか、骨が変形していないかを立体的に調べます(正確に評価するため、鎮静薬や軽い麻酔を使うことがあります)。

治療の柱

生活環境の調整と体重管理

滑りにくい床に変え、関節への負担を減らすために適正体重を維持する、ご家庭でできる最も基本で重要な治療です。

投薬治療・サプリメント

痛みや炎症を和らげるお薬や、関節の健康をサポートするサプリメントを使い、症状を落ち着かせて生活の質を保ちます。

外科手術

若齢で関節の緩みが強い場合や、成長してからお薬で痛みが取れない場合に、骨を切って角度を変えたり、人工の関節に入れ替えたりする大掛かりな手術を行うことがあります。

費用について

費用は、体重管理とお薬を中心とした内科治療で進めるか、専門施設での外科手術が必要になるかによって大きく変わります。大型犬の場合はお薬の量も多くなる傾向があるため、まずは治療計画とあわせて費用の目安を相談すると安心です。生まれつきの骨格や遺伝的な要因が関わる病気のため、保険会社によっては補償の対象外となることがあります。ペット保険に加入している場合は、事前に補償範囲を確認しておくと安心です。

これからの見通し

すでに変形してしまった関節を元の形に戻すことはできませんが、体重管理やお薬で痛みをコントロールすることで、穏やかな日々を過ごせるようになります。症状や年齢に合わせて手術という選択肢も検討するなど、無理のないケアの形を見つけていくことが大切です。

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食欲・体重・血液値の変化を、1 日 1 件で記録できます。診察室モードで主治医にそのまま見せられます。

※ 本ページは病気の基本を知るための一般的な情報です。診断・治療方針は必ず獣医師にご相談ください。