の基本情報

犬のフィラリア症犬糸状虫症

監修:あき(獣医師)公開 2026.06.24

病院やおうちで気づいたら

  • 散歩ですぐ疲れて咳が出る
  • 検査で『フィラリア陽性』と言われた

という場合は、フィラリア症で心臓や肺に負担がかかっているかもしれません。

アイの、ひとこと

蚊に刺されることで心臓や肺の血管に寄生虫が棲みつき、全身の血の巡りを悪くする病気です。

どんな病気?

蚊が媒介する「犬糸状虫(フィラリア)」というそうめん状の寄生虫が、犬の心臓や肺の太い血管に寄生することで起こる病気です。寄生虫が血管を塞いでしまうため、全身の血液がうまく回らなくなり、心臓や肺、肝臓などに深刻なダメージを与えます。毎月のお薬で確実に防ぐことができる病気ですが、感染して進行すると命に関わるため、慎重な治療が必要になります。なお、人への感染はまれですが、フィラリアを持った蚊に直接刺されることで、ごくまれに肺などに寄生する報告があります(犬から人へ直接うつることはありません)。

気づきのサイン(初期症状)

  • 初期は目立った症状が出にくい(無症状のまま進行することが多いです)
  • 散歩を嫌がる、すぐ疲れて座り込む
  • 興奮した時や運動後にカハッと乾いた咳をする
  • お腹がパンパンに膨らんでくる(
  • (急激に悪化すると)赤いおしっこが出る、呼吸が苦しそうになる、ぐったりして倒れる

かかりやすい子・特徴

  • フィラリアの予防薬を飲んでいない、または飲み忘れた期間がある犬
  • 蚊が多い地域や、屋外で飼育されている犬
  • すべての年齢・犬種で感染する可能性があります

予防法について

蚊が発生する時期に合わせて、毎月1回の予防薬(飲み薬・スポットタイプ・注射タイプなど)を欠かさず投与することで、ほぼ確実に予防できます。

診断に必要な検査

血液検査

血液の中にフィラリアの親虫がいないか(抗原検査)、子虫が泳いでいないか(ミクロフィラリア検査)を調べます。

超音波(エコー)検査

心臓の中にフィラリアの虫体がいないか、心臓の動きが悪くなっていないかを確認します。

レントゲン検査

心臓が大きくなっていないか、肺の血管に異常がないかを調べます。

治療の柱

投薬治療(寄生虫の駆除)

お薬を使って体内の子虫や親虫を少しずつ減らしていきます(駆除に伴うショックなどのリスクがあるため、状態を見ながら慎重に行われます)。

対症療法(心臓の薬など)

フィラリアによってダメージを受けた心臓の働きを助けたり、咳や腹水などのつらい症状を和らげたりして体力を支えます。

外科手術(吊り出し手術)

フィラリアが心臓に大量に詰まって血流が急激に悪化する「大静脈症候群」などの緊急時には、首の血管から特殊な器具を入れて、心臓に詰まった虫を直接引きずり出して取り除きます。

費用について

費用は、お薬でゆっくりと駆除を進めるか、緊急の外科手術(吊り出し手術)や入院が必要になるかによって大きく変わります。重症化すると治療に期間も費用もかかることが多いため、ご家庭のペースやワンちゃんの体力も含めて、無理なく続けられる範囲を主治医と話し合いましょう。

これからの見通し

一度心臓や肺が受けたダメージは、虫がいなくなっても完全には元に戻らないことがあります。しかし、状態に合わせて慎重に駆除や心臓のケアを行うことで、穏やかな日々をより長く過ごせるようになります。まずは状態を正確に調べ、無理のない治療計画を立てることが大切です。

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Tool

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食欲・体重・血液値の変化を、1 日 1 件で記録できます。診察室モードで主治医にそのまま見せられます。

※ 本ページは病気の基本を知るための一般的な情報です。診断・治療方針は必ず獣医師にご相談ください。