の基本情報

猫の糖尿病

監修:あき(獣医師)公開 2026.06.18

病院やおうちで気づいたら

中高齢の猫ちゃんで

  • 水をがぶがぶ飲み、尿が増えた
  • 健診で『血糖値が高い』と言われた

という場合、糖尿病の可能性があります。

アイの、ひとこと

中高齢で少しぽっちゃりした猫ちゃんに多い、血液中の糖分がうまく細胞に取り込めなくなる病気です。

どんな病気?

膵臓から出る「インスリン」というホルモンが足りなくなったり、うまく働かなくなったりする病気です。インスリンがないと、血液中の糖分(エネルギー)を細胞が吸収できず、血糖値が異常に高い状態が続きます。体は常にエネルギー不足となり、全身の臓器に少しずつ負担がかかっていきます。

気づきのサイン(初期症状)

  • 水をがぶがぶ飲む・おしっこの量が急激に増える
  • 食欲が旺盛でよく食べるのに、少しずつ痩せてくる
  • 毛づやが悪くなる、毛がパサパサになる
  • (進行すると)後ろ足のかかとをペタンと床につけて歩くようになる
  • さらに進行すると、食欲が落ちてぐったりする

かかりやすい子・特徴

  • 中高齢の猫(特に7歳以上のシニア期から多く見られます)
  • 去勢済みのオスの猫ちゃんに多い傾向があります
  • 肥満気味(少しぽっちゃりしている)の子

予防法について

適正体重を保つことで、発症のリスクを大きく減らせます。

診断に必要な検査

血液検査

血液中の糖分(血糖値)が高い状態が続いていないか調べます。

尿検査

おしっこの中に糖が漏れ出ていないか、ケトン体という危険な物質が出ていないかを確認します。

フルクトサミン検査

ストレスによる一時的な血糖値の上昇と区別するため、過去数週間の血糖値の平均を調べます。

治療の柱

インスリン療法(注射)

不足しているインスリンを注射で補い、血糖値を安定させます。

投薬治療(飲み薬)

尿と一緒に余分な糖を体の外へ出すお薬(SGLT2阻害薬)で、条件が合えば注射の代わりに選ぶことができます。

食事療法

糖質の少ない高タンパクな専用のごはんに切り替え、食後の血糖値の急上昇を抑えます。

体重管理

肥満がある場合は適正な体重に戻していくことで、血糖値を安定しやすくします。

費用について

1年間にかかる診療費の目安(10歳以上の猫・中央値)

約14.2万円/年

出典:『アニコム家庭どうぶつ白書2025』より

この金額の見方
  • ・保険で戻ってくる分を差し引く前の、動物病院に支払う診療費そのものの金額です(ペット保険に入っている場合、実際の自己負担はこれより軽くなることがあります)。
  • ・アニコム損保に加入しているの診療費データ(通院・入院・手術を含む)の集計です。
  • ・中央値=ちょうど真ん中にあたる子の金額。高額な少数例に引っ張られにくい、実感に近い目安です。

この目安にはインスリンの量が安定したあとの子も多く含まれ、血糖値が安定するまでの通院や検査が集中する初期は、これより手厚くかかることがあります。長く付き合っていく病気だからこそ、無理なく続けられる通院の範囲を主治医と話し合いましょう。ペット保険に加入している場合は対象になることも多いため、あわせて確認してみてください。

これからの見通し

お薬(注射や飲み薬)と食事で血糖値をコントロールできれば、これまで通り穏やかな生活を送ることができます。また猫ちゃんの場合は、早期に治療を始めることで、お薬自体が必要なくなる「(かんかい)」という状態を目指せることもあります。

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このページで分かること

  • 寛解(お薬からの卒業)の可能性
  • 飲み薬と注射の比較
  • これからの見通しのデータ
おすすめツール1日に必要な水分量は?体重から1日に必要な水分量の目安を計算します。多飲多尿が気になるときのモニタリングにも。

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食欲・体重・血液値の変化を、1 日 1 件で記録できます。診察室モードで主治医にそのまま見せられます。

※ 本ページは病気の基本を知るための一般的な情報です。診断・治療方針は必ず獣医師にご相談ください。