おうちでこの症状を見たら
中高齢の猫ちゃんで
- 「お腹や乳首にしこりがある」
- 「しこりが赤く腫れて大きくなってきた」
という場合、乳腺腫瘍の可能性があります。
アイの、ひとこと
アイの、ひとこと
未避妊のメスの猫ちゃんに多く見られる、おっぱいの周りにできるしこり(腫瘍)です。
どんな病気?
猫の乳腺(おっぱい)の組織にできる腫瘍です。犬とは異なり、猫の乳腺腫瘍はその多くが「悪性(乳がん)」という特徴があります。非常に進行が早く、肺やリンパ節などへ転移しやすいため、しこりを見つけたら「ただのしこりだろう」と様子を見ず、できるだけ早く動物病院で検査と治療を受けることが重要です。
気づきのサイン(初期症状)
- お腹(乳首の周り)を撫でたときに、ゴリッとした硬いしこりに触れる
- しこりが少しずつ、または急激に大きくなってくる
- しこりの表面が赤く腫れたり、皮膚が破れて出血したりする
- しこりを気にして頻繁に舐めている
- (進行すると)痛がって触らせない、元気や食欲が落ちる、呼吸が荒くなる
かかりやすい子・特徴
- 中高齢のメス猫(特に10〜12歳ごろのシニア期から多く見られます)
- 避妊手術をしていない、あるいは初めての発情が来てから避妊手術をした猫ちゃんに多い傾向があります
- シャム猫などの一部の猫種では、他の猫種よりも発生しやすいと言われています
- しこりは1つだけでなく、複数同時にできることもよくあります
診断に必要な検査
触診
しこりの大きさや数、場所を細かく確認し、リンパ節が腫れていないかを調べます。
細胞診(針生検)
しこりに細い針を刺して細胞を採り、がん細胞がないか調べます。
画像検査(エコーやレントゲン・CT)
肺や他の臓器にがんが転移していないかを立体的に詳しく調べます。
病理組織検査
手術で取り除いたしこりを顕微鏡で詳しく調べ、がんの悪性度を最終的に判定します。
治療の柱
外科手術
最も基本となる重要な治療です。猫の乳腺腫瘍は悪性で広がりやすいため、しこりだけでなく片側、あるいは両側の乳腺をすべて取り除く手術(乳腺全摘出術)が推奨されます。
投薬治療(抗がん剤など)
手術の後に、目に見えないがん細胞を抑え込み、再発や転移を遅らせる目的でお薬を組み合わせることがあります。
緩和ケア
すでに転移が進んでいる場合などに、痛みや苦しさを和らげ、できるだけ快適に過ごせるようサポートを行います。
費用について
費用は、手術の規模(片側だけ取るか、両側すべて取るか)や術前の検査の多さ、術後に抗がん剤治療を行うかどうかによって大きく変わります。また、手術で取ったしこりの確定診断(病理検査)にも費用がかかります。まずは治療計画とあわせて費用の目安を相談すると安心です。ご家庭のペースや猫ちゃんの体力も含め、無理のない範囲を主治医と話し合いましょう。ペット保険に加入している場合は対象になることも多いため、あわせて確認してみてください。
これからの見通し
進行が早く転移しやすい病気ですが、しこりが小さいうちに早期発見してしっかりとした手術ができれば、穏やかな時間を長く保ちやすくなります。一方で、すでに大きくなっていたり転移があったりする場合は、厳しい見通しになることもあります。まずはしこりの状態を正確に調べ、無理のない治療計画を立てることが大切です。
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※ 本ページは病気の基本を知るための一般的な情報です。診断・治療方針は必ず獣医師にご相談ください。