闘病の記録とアドバイス
今から約15年前の出来事です。昔の出来事なので、やや記憶が曖昧なところも多いです。当時の治療法なので、参考にならない事も多いかと思いますが、私が愛した猫の話を是非聞いて行ってください。
当時、私は実家で両親と暮らしており、実家には16歳になるおじいちゃん猫が1匹居ました。名前はミースケと言います。
16歳という高齢猫でしたが、幸いにも大きな病気にも遭わずにのんびり過ごしていました。このまま寿命まで、元気に過ごすのかなって、私も、両親も皆んなが思っていました。
しかし、ある日の夜、猫のご飯を置いてある餌入れ付近で、誰かが血の塊を吐いたような跡を見つけました。普段は完食するはずのご飯も残っています。心配になってミースケの様子を見ると、いつもより元気がなく、口元にはっきりと出血の痕跡がありました。私達は急いで動物病院に連れて行きました。そこで状況を説明し、詳細な検査をしたところ、舌に腫瘍がある事が判明しました。医師からの診断は舌癌でした。当時の私は具体的な病名は知りませんでしたが、知識が増えた今、改めて考えてみると、おそらく猫の口腔内扁平上皮癌という病気だったのだと思います。
ミースケが舌癌と診断されてからの生活は、とても大変でした。ご飯を食べようとしても、舌の腫瘍によって痛みが走るためか、なかなか上手くご飯を食べれず、水すらも上手く飲む事が難しかったです。
当時(約15年前)の医師から告げられた治療法は、全身麻酔下による該当部の舌の部分切除か、無理な治療はせずに、最後まで家族で見守り、のんびり過ごしてもらう、すなわちターミナルケアをするかの2択でした。
どちらかを選ばなければいけない。究極の選択でした。
希望があるなら手術を選ぶ方も多いのかもしれませんが、最終的に、私と両親が選んだ決断は、ターミナルケアでした。16歳という、猫にしては超高齢な年齢による全身麻酔のリスクと、舌を切除した後のQOLを考慮した、苦慮の果ての選択でした。
ターミナルケアを始めてからは、最初は少しでも食べれていたご飯が食べられなくなり、最初は少しでも飲めていた水も少しずつ飲めなくなり、少しずつミースケは痩せ細って行きました。水が飲めなくなった後は、スポイトで必死に水を飲ませて何とか命を繋いでいました。そうしていくうちに、ミースケは17歳の誕生日を迎えていました。人間のエゴかもしれませんが、当時はとても嬉しかった記憶があります。
闘病生活は約1ヶ月半〜2ヶ月くらいだったと思います。ミースケはリビングの真ん中で、家族に見守られながら、堂々とお空に旅立って行きました。
口腔内扁平上皮癌は悪性度も非常に高く、ミースケにとってはとても辛い日々だったと思いますが、17歳にしてはとても長く頑張ってくれたなって思います。
私は、舌癌に対して、手術ではなくターミナルケアを選んだ事は後悔していません。当時は色々考えてこれが最善だと思ったからこそ、家族みんなで選んだ決断だったからです。ですが、ミースケを助けてあげられなかった事だけは、今でも後悔している出来事です。その時の後悔があったからこそ、獣医師を目指すことを決心しました。
15年前の出来事です。